リーダーがヨーロッパで仕事をしていた頃の話です。

 事務所の近くに地下鉄の駅があり、地上には誰も使っていないようなエレベーターがありました。

 ある日リーダーはとても疲れていたので、このエレベーターに乗って楽に地下のホームまで着くことができました。電車の方へ歩き始めると、おばあさんが近づいてきて、「あなたは若いのだからエレベーターは使わなくても良いのではありませんか? あなたがエレベーターを使ったことにより、本当にエレベーターを必要としている人が使えなくなってしまったのですよ!!」と言われました。

 その時のリーダーは59歳で決して若くはなかったのでエレベーターに乗ったのです。その後腰痛を患い、歩くとことがとても辛かった時、あのおばあさんの言っていたことが良くわかりました。おばあさんが言っていたことは、「体が若く元気な人は、体が不自由な人に色々なものを譲ってあげなさい。」ということでした。だから電車に乗った時はシルバーシートには座らず、エレベーターは体が不自由な人を乗せてあげるために君たちは乗らないようにしてあげると皆に喜ばれるのではないかと思います。

宮島隆之(元CS隊長)

ボーイスカウト東京文京第5団